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就学支援金新制度と教育費

就学支援金制度が新しくなった。
高校授業料の無償化は平成22年の民主党政権時代に導入されたが、
授業料無償化といっても、実際に無償になったのは公立高校の生徒、
私立高校の生徒は、世帯の収入の多少によって異なる支援金額が支給されていた。

新制度は、公立と私立の格差をなくして同じ基準で支給金額が決定されるという。
全日制の月額定額授業料に対する支援金は月額9900円、
公立定時制の定額授業料に対する支援金は月額2700円、私立は9900円。
おやっと思う。
公立よりも私立が多い。
私立を優遇するようになったのか、なんて思ったりもする。

なんてことはない。
金額が少なくても、公立の授業料は実質無料だから以前と変わらない。
正確には、都道府県の微妙な授業料の違いによって、就学支援金よりも高いところも
あるが、実質無償といっても差し支えないほどの差しかない。
実質変わった点は、
一定以上の収入がある世帯の公立の生徒には就学支援金が支給されないということである。
一定の収入の目安は年収910万円(正確には、市町村民税所得割額が年間30万4,200円)。
両親が共働きなら、合算した収入を指す。
世帯主の収入が910万円以上というのは少ないが、両親の収入の合算となると
話は別だ。両親が正社員の場合には相当の家庭がこの条件にひっかかるはずだ。

そうして削った支援金をより収入の少ない家庭に振り向けようとしているらしい。
年収250万円未満(非課税世帯)の家庭の生徒に対する支援金の額は、一般の9900円の
2.5倍になる。
しかし、
公立高校の生徒が非課税世帯に該当しても、基準額の2.5倍は支給されない。
というのも、就学支援金は授業料を超えて支給されることがないからだ。
基本となる9900円は、公立高校の定額授業料約9900円に等しいからである。
収入条件で支給されなかった公立の就学支援金が公立の他の生徒に振り向けられる
ことはない。
こうしてみると、就学支援金新制度は、公立の生徒にとって前の制度よりも後退した
内容になっている。

私立については、収入制限を越えた世帯には公立と同様に支給されない。
収入の少ない家庭は、以前よりも支給額が増えたから、この点は改善された点といえる。
しかし、支給対象は授業料だから、入学金や設備費、暖冷房費、教材費、制服、靴、
通学費、修学旅行積立金、生徒会費などは支給の対象外である。

生活困窮家庭で、公立には入れなかったけれども進学したいと希望する生徒には
前の制度も新制度も不十分である。
進学をあきらめる者が大半かであろう。
学校基本調査の高校中退理由に、「経済的理由による中退」という項目があるが、
22年の制度導入以来、確かにこの項目による中退は減少した。
といっても、その減少幅は僅かである。

そもそも、なぜ、かくも日本の教育費は高いのか?

家計に占める教育費負担割合は上昇し続けている。
高校は3年間で公立平均1,545,000円、私立高校は平均2,930,000円
幼稚園から大学まで、すべて公立だったら、教育費は平均9,420,000円
すべて私立だったら、平均22,860,000円(平成21年文部科学白書より)
子供2人が私立大学に通っている場合は、勤労世帯の年間の平均手取り収入の5割を超える
負担となる。
家計の貯蓄率をみると、一人っ子であっても子供が高校生になると貯蓄に回すお金は
なくなり、子供が大学に入ると貯蓄ができないばかりか既にある貯蓄を取り崩している。

これでは、子沢山は経済的リスクが大きい。
子育てを考えたら、今の時代は教育は不可欠だ。
子供の教育のことを考えたら、生活が危うい。
少子化は賢明な選択肢になっている。

こうした現状を前にして、
教育に対する国の理念が見えてこない。
家計が苦しいだろうから、補助してやろうという程度の発想しか見えてこない。


OECD(経済協力開発機構)諸国の教育費の国際比較によると
経済大国日本のGDPに占める教育費の公的負担の割合は3.6%(「図表でみる教育2013年版」)。
これって、比較できる加盟国の中で最下位を示す数字である。
半数の国が、授業料を無償にしている。
実に大学まで一貫して授業料は無償である。
入学金はどうなっているかって?
そもそも入学金制度のある国のほうが少数派である。
返す必要のない給付型奨学金制度がない国は、日本とアイスランドだけである。


経済大国を標榜する日本の教育に対する姿勢は消極的である。
100兆円近い国家予算の中で教育予算は貧弱といわざるを得ないだろう。
就学支援金新制度でお茶を濁されてはかなわない。

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