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医薬品ネット販売解禁 薬剤師・登録販売者への影響

医薬品のネット販売が事実上解禁されましたね。
これにより、薬剤師や登録販売者はどのような影響を受けるのでしょう。
ちょっと考察してみました。

平成18年に成立した改正薬事法に伴う厚生労働省令改正(平成21年2月)により
一般用医薬品(大衆薬)のインターネットを含む郵便等販売は、副作用等のリスクの低い第3類医薬品を除き原則禁止されました(新施行規則第15条の4)。
これに対して、新施行規則は改正薬事法の委任の範囲外の規制を定める違法なものであるとして、その無効を求める裁判をネット販売を手掛ける事業者が起こした一連の訴訟の結果が今回の最高裁の判決です。

旧薬事法下においては、一般用医薬品のインターネットによる販売は行われていたので、法改正によりインターネット販売をビジネスにしてきた企業が大きく不利益を被ることになりました。
とくに当時の一般用医薬品市場における第2類のシェアは6割強ありましたので、第2類の医薬品がネット販売できなくなることは大きな損失につながります。

そこで、不利益を被る事業者が国を相手取り訴訟を提起することになります。
医薬品の販売は薬剤師等の専門家による対面販売を原則とすると考える厚労省および薬剤師の職能団体である日本薬剤師会。一般用医薬品については対面販売は不要と考える通販企業等の争いです。

消費者の安全性と利便性をどう捉えるかの建前論と国家資格に守られた薬剤師と登録販売者の権益、および省庁の権益を維持したい厚労省、規制緩和によって大きな利益を目論む企業らの利害のぶつかり合いとみることもできます。
その戦いの経緯をみると
  第一試合:改正薬事法の成立・・・玉虫色の決着。
  第二試合:省令の施行・・・・厚労省・日本薬剤師会側の勝利
  第三試合:最高裁の判決・・・ 規制緩和を望む企業側の勝利
  
  第四試合予測:改正薬事法の更なる改正の可能性・・・ 田村厚労相は薬事法改正の提起を含め新たな規制を検討する意向。
といった具合です。

最高裁判決は
あくまでも現行の改正薬事法の立法趣旨がネット販売を規制するものではないと法解釈したに過ぎません。
医薬品のネット販売が消費者の健康被害に影響を与えるおそれがあるとかないとか、ネット販売による医薬品の無秩序な流通の恐れなどに言及したものではありません。

旧薬事法下でネット販売されていたこと、法改正の成立過程におけるネット販売に関わる議論が収束していないことなどが斟酌され、販売活動の自由と新薬事法でネット販売を禁止することが明文化されていないことを理由とする判決です。

そもそも薬事法の条文を読む限り、ネット販売そのものを想定しているとは思えません。
薬事法上の店舗とはネット上の店舗を含むのか、含むとすれば許認可の要件は何か等等の問題の答えが見当たりません。

一般用医薬品は効能効果が乏しく、その分副作用のリスクも小さいと言われていますが、副作用による健康被害が報告された医薬品もありますし、胃腸薬H2ブロッカーのように医療用医薬品から一般用医薬品に移行したスイッチOTC薬も含まれています。
これらの医薬品が無秩序に市場に流通していいはずがありません。

今回、問題となった「第1類は薬剤師による対面販売、第2類は薬剤師または登録販売者による対面販売、第3類はネット販売可」とした施行規則には合理性があると思いますが、旧薬事法下でネット販売が広く行われていたという実体があります。
ここが大きなポイントです。
そして、薬剤師が配置されていない事実に直接起因する一般用医薬品の副作用報告もない。

厚労省の調査によると、
消費者が第1類医薬品を販売する際、文書を用いた詳細な説明を行っている薬局・薬店の割合は
昨年度は55.2%。前年度よりは20ポイント改善したが、まだ十分定着していない。
第2類、第3類医薬品をリスク分類別に区分して陳列していた薬局薬店は53.5%、前年より10ポイント低下している、という調査結果があります。

要するに、薬剤師による対面販売を実践していない薬局、薬店が多数存在するという実体があるわけですから、薬剤師らによる対面販売でなければ健康被害につながるおそれがあるという主張は説得力に欠けます。
権益を守りたい薬剤師側が自らの行動により権益を捨てていくことにつながっています。


これから、最高裁の判決を受けて一般用医薬品のネット販売が急速に拡大していくことになるでしょう。

リアル店舗であれば、地域ごとに認可を受けた店舗に薬剤師や登録販売者が必要とされていますが、ネット店舗であれば、管理責任者としての薬剤師ないし登録販売者がいれば全国に対応できるという状況になる可能性が高いでしょう。
そして、ネット販売を起因とする健康被害が発生しなければ、
薬剤師・登録販売者による対面販売を条件とする理由が一層希薄になります。
リアル店舗においても薬剤師等による対面販売の規制の存在がネット店舗に比べて不公平であるという状況が生まれてきます。

つまり、ネット店舗とリアル店舗における薬剤師と登録販売者の必要性が減少するということになります。
薬剤師は働く場所が減少しても逃げ道はありますが、登録販売者にとっては深刻な事態かもしれません・・・

もっとも、厚労省は最高裁の判決に対する反撃を目論んでいるので、一気に規制緩和が進むとは思えませんが、
規制で守られている業界は、非効率と思えるルールも着実にこなしていく必要がありますね。
ルールを守らないと、その間隙をビジネスチャンスとしてとらえ、異業種の参入組が果敢に挑戦してくることになるでしょう。
                        
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