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心理資格 国家資格への遠い道のり(2)

■臨床心理士・医療心理師国家資格化の問題点
2005年に策定された超党派国会議員らによる「臨床心理士および医療心理師法案要綱骨子」は、他の国家資格の領域と重複する部分が生じることと、それに対する調整が欠落していたために反対意見に押し切られる形で法案上程には至らなかった。
中でも日本精神神経診療所協会の見解は、心理職国家資格化の問題点が論点整理されていて興味深い。

・心と心理の違いはなにか?
・心理学的行為と医行為の関係と違いは何か?
・医学的知識を持たずに心理療法を行うことに危うさはないのか?
・多くの学派による異なる論理と実践体系を持つ心理学的行為の外延を明らかにすることが
 できるのか?
・医学・医療分野の知識の必要性が問われないまま、
 医師の指示だけで保健・医療分野で業務を行うことに危険性はないのか?
・認知・行動療法などの例外を除いて、健康に対する有益性有害性の科学的なエビデンスは
 十分用意されているのか。
・臨床心理学だけで、うつ病、境界性人格障害、甲状腺機能低下症等のうつ状態を峻別
 できるのか?
・心理学的な問題が疾病によるものかどうかの判断は医行為であるから、
 この判断なしで行われる 心理学的援助に危険性はないのか?
・他領域の国家資格者との業務分担についての合意形成はされたのか?
・以上のように心理学的行為の外延が曖昧なまま、国家が資格を持って質を担保することが
 できるのか?

等の視点から見解を加えている。(詳しくは こちらのサイト) 


■外部が求める国家資格
その後も心理学関連学会や団体は、2資格1法案として、
日本臨床心理士資格認定協会が認定する「臨床心理士」と医療領域に従事する臨床心理
技術者の国家資格化推進団体「医療心理師の国家資格化推進協議会」が掲げた「医療心理士」の2資格の
国家資格化を推進していくことになるが、
この動きを承知のうえで、
日本学術会議が「医療領域に従事する『職能心理士(医療心理)』の国家資格法制の
確立を」と題する提言を2008年に発表することになる。
日本学術会議は、医療領域に従事する心理職のみの国家資格化を提言したのである。

振り返れば、平成2年の厚生省の心理技術者資格制度検討会も、医療領域に従事する心理技術者の国家資格の必要性を唱えたものであり、臨床心理技術者の資格のあり方に関する研究(平成11年~13年)も、医療・保健施設に関わる範囲に限定して、医療保健心理士として実現を求めたものである。
医療側から唱えられる心理職の国家資格化の必要性も、医療領域に限定されるものである。

これらは既に医療現場で活動している心理技術者を国家資格者として追認する意味合いが大きいものと思われる。
実際にチーム医療に参加しているのに、心理技術者の行為自体は、診療報酬の対象とならず、おのずと処遇面で不利な扱いを余儀なくされるからである。

この日本学術会議の提言の前に学術会議の心理学分科会の対外報告に対して、
すかさず、日本臨床心理士会会長から日本学術会議会長宛に今までの経緯を無視したものであり容認できない、とする文書による苦言が呈されている。
その後、
心理学会 団体らは、2資格一法案の上程が困難であることから、
国家資格化を推進する3団体(臨床心理職国家資格推進連絡協議会、医療心理師国家資格制度推進協議会、日本心理学諸学会連合)は、一資格(心理師・仮称)一法案へと舵を切ることになる。
 
続きは次回          itijinnokaze 
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