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非正規から正社員の流れは本物か

ここにきて、にわかに非正規社員を正社員化する動きがクローズアップされていますね。
正社員を希望するひとにとって朗報です。
グローバル化や国内市場縮小で経営環境が厳しくなる中、人材への投資が競争力強化を図ると考えて正社員化へ踏み切った企業が出てきました。
もっとも、大分前から企業を取り巻く環境の変化は予測されていたので、当然の帰結といいたいくらいですが。

スターバックスは契約社員800人を地域限定社員へ。
全日空は、契約社員をすべて正社員へ。
ユニクロはパート・アルバイト13000人を限定性社員へ。

人材獲得には困らない有名企業のこうした動きは、社会に与えるインパクトが大きいので、
歓迎すべき状況が生まれつつあります。

しかし、実際の雇用形態の指標をみると、
昨年と比べて増えているのは、非正規社員ばかりで正規社員は減少しています。
有効求人倍率1.09倍(5月)というバブル崩壊後最も高い数字も
正規社員に限ってみると0.67倍(季節調整値)という求人倍率にとどまっています。
つまり、100人のひとが正社員になりたい場合、67人分の席しかないという状況。
しかも、雇用条件のミスマッチがでますから、実際に正社員として就職できたひとは
正社員の有効求人倍率0.67倍よりもずっと低いのです。
その結果、正社員の人数は昨年同期よりも減少し、非正規社員が増加し続けているとう状況が生じています。

      正規社員数の比較(単位万人)
  4月   3月  2月  1月   平均
今年 3288  3233  3219  3242  3245.5
昨年 3328  3255  3273 3336  3298
差  -40 -22 -54 -94 -52.5
※差=昨年ー今年

また、地域限定正社員を導入する企業の例をあげましたが、
地域限定性社員はアベノミクスで取り上げられる前から既に導入している企業もあって、
新しい画期的な制度でもありません。
転勤ができないとか、育児や介護のために地域と勤務時間を限定して正社員として働きたい人々の要望に合致した制度といえます。
問題は、制度を悪用する企業がでてくることが予想されるということです。
一般の正社員と地域限定社員との間に処遇面で大きな差を設けたり、
辞めさせたい正社員を圧力をかけて限定正社員化し、勤務させられる店舗や営業所を閉鎖してしまう、といった事態です。

地域限定正社員制度を有効に機能させようと思えば、地域(働く場所)を点ではなく面でとらえるべきです。
例えば、自宅から通勤時間1時間以内にある店舗や営業所を「地域」とする、といった具合です。。
地域限定社員を希望するひとは、通勤時間と勤務時間の都合で選択するわけですから、
この希望に企業が応えるとすれば、希望する通勤時間内にある店舗や営業所を全て勤務場所として
対象にすべきと考えます。
そうすれば、営業不振の店舗等を閉鎖することがあっても、ただちに解雇ということにはならず、
通勤できる店舗等への異動ということになります。
なにしろ、最近の大きな企業の不採算店舗は即、閉鎖される傾向が強く、
逃げ足の早さには目をみはるものがありますから。
結局、地域を点でとらえるということは、
いつ解雇されるかわからないという不安を抱くかせることになりますね。

ただ、こうした面による地域限定性社員制度を導入する企業は少ないでしょう。
恐らく、地域を点として、特定の店舗や営業所で導入するところが多いと思います。

それを後押しするのがアベノミクスです。
アベノミクス成長戦略のひとつである雇用改革は、
大前提に雇用維持型から労働移動型への転換が掲げられています。
つまり、企業の業績が悪いときに無理して社員の雇用を守る必要がないし、社員も企業にしがみつかないで
どんどん転職に挑戦してほしいという考えです。
余剰人員は、どんどん退職させて、成長分野にひとが流出する社会にしたいと考えています。

だから、地域限定正社員制度は、企業が店舗や営業所を閉鎖した場合には、
簡単に限定正社員を解雇することができるようにし、解雇された限定正社員が転職市場に流れ込むようになる、
という状況を産むことが、労働移動型の雇用制度の方針に合致するわけです。

解雇ルールはいったん棚上げになりましたが、
これからも、名称を変え、内容を少し変えたりして、あの手この手で正社員の解雇ルールを簡単にするための、
企業寄りの制度の提案が出てくることになるでしょう。

やがて、「正社員の身分って何だ」
という素朴な疑問が生まれてくるではないかと懸念しています。
     
                      itijinnokaze
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